本センターの目的は、文化遺産を有する歴史都市を災害から保全し、それを後世に継承するための学理と技術を確立することです。今日に至るまで、文化遺産や歴史都市の防災に関する学術研究の体系は未整理のままであり、災害科学、土木工学、建築学、情報学、人文社会科学などが連携して体系を構築する必要があります。
立命館大学には既にアート・リサーチセンターが設けられており、これと歴史都市防災研究センターとが連携して活動することにより、文化遺産の宝庫とも言うべき京都に、芸術と文化を一体の物として捉える教育・研究拠点が形成されます。すなわち、人文・社会科学と工学との融合した新しい学問分野の創設の一翼を担うことも当センターの役割であります。2006年10月には、ユネスコにより当センターにUNESCO Chairが設置され、文化遺産の防災に関わる国際的研修事業を推進するとともに国際的情報ネットワークのハブの役割を果たしています。
文化財や文化遺産の集合体としての歴史都市の防災に関する分野の研究者が協力して、総合的な視点から研究しなければ、技術開発や研究成果を施策へ反映することはできません。こうした広い分野の研究者が連携するためには、それを可能にする場が必要です。当センターはこのような共同研究の場を日本あるいは世界の研究者に提供することも目的の一つとしており、多くの研究者に集まって頂き、文化遺産を災害から守るための英知を寄せ合う場になることを願っています。